若杉慧

略歴

若杉慧は、明治36(1903)年、廣島縣安佐郡戸山村に生れた(1987年沒)。廣島商船學校で教鞭を取つてゐたが、その間に文筆活動に入つた。

『エデンの海』が代表作として知られてゐる(映畫化された)。氏はそれまで「私小説作家」と見られてをり、その後も「私小説」を書いてゐるが、『エデンの海』は鮮かな「青春小説」である。

もともと佛教に關心があつたが、後には石佛の寫眞を專門に撮影する「カメラマン」としても知られるやうになつた。『野の佛』(創元選書)、『石仏巡礼』(現代教養文庫)等の著作があり、それらには寫眞と隨筆が收録されてゐる。

『長塚節素描』(昭和五十年)で「平林たい子文学賞」を受賞した。

氏が生前所藏してゐた著作・ノート・手帖、文章・メモ、書簡、藏書等は、廣島市立中央圖書館に寄贈された。同圖書館により『若杉慧 資料目録』(平成十四年三月)が刊行されてゐる。

刊本より

花をつくる少年
2001-06-24
2005-02-19
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