初出
「瞬間」平成13年5月19日
公開
2001-05-30

「読者」を斬る

憲法改正論議の中で「憲法改正には国会において2/3の発議が必要だけれども、廃止するなら1/2で良いじゃないか」なんて無責任な事をのたまう馬鹿がいます。まるでこんな台詞を聞いていると「会社が立ち行かなくなったら解散すりゃあいいじゃん」なんて言うような無責任な経営者(そんな奴滅多に居ませんが)を連想します。

ははあ、その手があつたか。憲法廢止の規定は、「常用憲法」殿には記載されてゐませんからなあ。

私は「現行憲法無效論」を支持してをりますので、「常用憲法」君を破毀したら「大日本帝國憲法」を即時に復活させ、引續き現在の民主制に適合した形に改正すべきだと考へます。近代國家日本を築いた先人の努力を、我々は無視してはいけない。或は、日本にも頼れる一貫した規範がなければならない、と考へるのならば、從來の規範を單純否定する事によつて成立した「日本國憲法」なんぞはさつさとなかつた事にして、規範として初めて整備された「大日本帝國憲法」を復活させるべきであります。

「大日本帝國憲法」発布當時の精神を復活させろ、と言つてゐるのではない事實に注意。その邊を、故意か過失かは知らないが、混同する馬鹿が多數ゐるので、一言。


現行憲法を維持せよ、と云ふ「読者」氏の主張は、「立ち行かなくなつた銀行に、政府は資金を注入せよ」と云ふ主張を聯想させます。一體全體、馬鹿はどつちでせう。

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