読書日記

1998年12月1日

本棚の整理をしてゐて、つい「小鳥の飼い方楽しみ方」(松本喬史著・昭和45年4月15日初版・昭和46年6月20日8版・池田書店)を手に取つた。

実用書をインテリはしばしば単に軽蔑するもの。しかしかういふ小鳥の写真が載つてゐる本を見るといつも思ふ、この小鳥たちはもうみんな死んでゐるのだ――30年近く前の本である。鳥の寿命は短い。鳥に限らない、人はみな死ぬ……さういふ視点から見ると、あらゆる本を見る目が変はつてくる。写真のせきせいいんこは、その典型として挙げられてゐるのだが、鳥自身はもうこの世にはない――「小鳥の飼い方楽しみ方」の著者・松本喬史は33歳で早逝した人である。読者がこの「小鳥の飼い方楽しみ方」を読むとき、死者が死んだ鳥たちのことを生き生きと語りはじめる――これは不思議なことだ。本は死物を甦らせるものである。その点で私は実用書と文芸書の間に区別を認めない。

1998年12月2日

読みはじめようと思つた本はたくさんあるのに、読み終つた本が一冊もない。

1998年12月3日

某ホームページの某掲示板で論争をはじめてしまつた。論争は不毛なものになると衝撃が大きいので(立派なホームページをつくつていらつしやつたのに、たたんでしまつた方もゐる)本気でかかつてゐる。資料として『天皇を戴く商人国家』(松原正著・平成元年6月20日発行・地球社)(の一部)を読み返す。

1998年12月4日

職安に失業給付の申請に行く。今回で終了。(もつとも月曜日からは仕事がはいる)帰りに本屋二軒はしご。

啓文堂相模原店……「正論」(産経新聞社発行・扶桑社発売)、「諸君!」(文藝春秋)、(以上1999年1月号)『昭和恋々』(山本夏彦・久世光彦著・1998年11月20日第1刷発行・清流出版)、『吸血姫美夕』第4巻(平野俊貴原作・垣野内成美著・平成11年1月5日初版発行・秋田書店)、『こんなに緑の森の中』(谷山由紀著・1998年11月30日第1刷発行・朝日ソノラマ)を購入。

丸善ブックメイツ相模原ナウ店……「室内」(工作社)1999年1月号、『HARELUYA 2 BOY』第31巻(梅澤春人著・1998年12月8日第1刷発行・集英社)、『MAICO 2010』第4巻(清水としみつ著・平成11年1月1日初版発行・少年画報社)、それと「YOUNG YOU」12月特大号(集英社)を購入。

「YOUNG YOU」は、武内直子の「武内直子姫の社会復帰ぱーんち」15ページのためだけに買つた。「ぱーんち」は『セーラームーン』以来の事情がわかるエッセイ漫画――武内女史は笑ひを交へて書いてゐるが、本質的にまじめな話。講談社の漫画雑誌は「たちが悪い」と批判してゐる――「職業倫理」の問題である。なほ「YOUNG YOU」のほかの漫画はちらとしか見ないが、どの人物も共通して目がぼんやりしてゐるのはなぜだらう。次号発売は今月8日――間もなくである。

『BOY』と『MAICO』はあつといふ間に読めた。『MAICO』は案外詰らないラスト。『BOY』は相変はらず喧嘩ばかりだが、個人的に好きな作品。夢とか正義とかを何のてらひもなく信じてゐるのがよい。リアリズムの「マガジン」作品より、努力・友情・勝利の「ジャンプ」の方が個人的には好感を持つてゐる。

1998年12月5日

アシーネ橋本店(ダイエー橋本店内)を覗く。ベストセラー以外の本を置いてゐないのを確認。

『吸血姫美夕』第4巻を読む。漫画はあつといふ間に読めるのがよい。安いし。

どうでもいいが第3巻の裏表紙(セーラ服の美夕)は実にエロティック ^ ^ 。かまととぶつた話をよく描く垣野内女史だが、この人、実は結構助平である。

1998年12月6日

この1週間ビデオで見返してゐた「lain」が最終話まで到達(この日は11〜13話)。シナリオ集を読んでから見返すと、ますます面白い。本屋は、啓文堂書店橋本店をちらと覗いただけ。

1998年12月7日

転職先の研修開始。といふ訳で出かけたが、電車の中で読む本を持つていくのを忘れた。啓文堂書店橋本駅店にて『斎姫異聞』(宮之崎桜子著・1998年4月5日第1刷発行・1998年10月7日第5刷発行・講談社・講談社X文庫ホワイトハート)を購入。第5回ホワイトハート大賞大賞受賞作。たしかこの本を「本の雑誌」だか「SFマガジン」だかで誰かが褒めてゐた記憶があつたので買つた。しかし普通はホワイトハートなんて、大人の男が買ふものではありません。

平安時代最盛期を舞台にした「陰陽師もの」の小説。登場人物の設定に「やおい」的で変な雰囲気のところがあるが、恐らく作者になんらかの精神的偏向があることと思はれる(他人事ではない ^ ^ )。「魔物退治」といふ設定もさうだが、平安時代の日常を普通に描いてゐるだけの文章が十分幻想的である――現代人に当時の知識がないせゐである。

主人公と「姫宮」の婚礼が描かれるが、少し引用してみる。

……松明の火を二条の屋敷の火と合わせる「火合はせ」の後、義明(主人公)は姫宮の待つ寝所に向かつた。そこで、花嫁の母(……)が二人に夜具を掛ける「衾覆いの儀」が行はれる……はずだつたのだが。

御帳台の置かれた母屋の御簾の内で待つはずの母の姿を、その手前の廂の間に認め、義明は足を止めた。

……

大殿油の灯に照らされた御簾の内では、乳母と若い女房が一人、御帳台を護るやうに端座してゐた。

美意識と身分制度に裏打ちされた人間関係はリアルで面白い。古文の勉強にもならなくはない。

銀行に手続きをしに高田馬場に久々に行つた。かういふ時に限つて ^ ^ BIGBOXの古本市をやつてゐる。一時期に比べてかなり寂しい状況だが、客足が遠退いたせゐか、最終日であるにもかかはらず結構いい本が残つてゐた。購入した本を列挙する。

『先覚』(メレジュコーフスキイ著・戸川秋骨訳・大正4年9月10日発行・国民文庫刊行会)……メレジュコーフスキーの著書は意外と訳されてゐるが、現在入手しやすいものがないのが残念。読まれるべき作家であるが、日本人には理解は難しい。

『詩の自覚の歴史――遠き世の詩人たち――』(山本健吉著・昭和54年2月25日第1刷発行・筑摩書房)……季語辞典で今も名を残してゐるが、山本さんは本来批評家。T.S.エリオットの影響下に出発したことは意外と忘れられてゐる。

『明治大正文学回想集成7・雨の降る日は天気が悪い』(土井晩翠著・1983年4月25日発行・日本図書センター)※昭和9年9月23日発行・大雄閣版の復刻……「序」にかうある――私の姓を在来つちゐと発音し来たが選挙人名簿には『ド』の部にある。いろいろの理由でこれからどゐに改音することにした。特に知己諸君にこれを言上する。

『虹をつかむ男』(サーバー著・鳴海四郎訳・昭和37年10月30日発行・早川書房・異色作家短篇集9)……漫画家サーバーの『SEXは必要か』は、扉にジェームズ・サーバー/E.B.ホワイト共著福田恆存/南春治共訳と書いてあるのだが、表紙にはサーバー著福田訳としか書いてゐない。(昭和28年10月15日発行・昭和29年10月15日2刷・新潮社・一時間文庫)

『告白』(聖アウグスティヌス著・服部英次郎訳・上巻:昭和15年2月3日第1刷発行・昭和22年7月15日第5刷発行、中巻:昭和15年11月15日第1刷発行・昭和24年6月15日第5刷発行、下巻:昭和24年6月15日第1刷発行・岩波書店・岩波文庫)……ルソーの『告白』と比較する必要があるさうである。

『明治天皇御集』(宮内省蔵版・昭和13年4月15日第1刷発行・昭和20年9月30日第7刷発行・岩波書店・岩波文庫)……全然関係ないが、保田与重郎の『後鳥羽院』もおなじ昭和20年の11月15日に第4版が出てゐる。敗戦直後にはまだ日本国民はまともだつたのである。

『奇妙な幕間狂言』(オニール著・井上宗次・石田英二訳・昭和14年5月2日第1刷発行・昭和24年12月15日第3刷発行・岩波書店・岩波文庫)……ダブるかと思つたが、家に帰つて本棚を見たら持つてゐなかつたので安心した。

『大東亜戦争の敗因と日本の将来』(常岡滝雄著・昭和45年2月初版発行・山紫水明社)……著者は日本国防新聞発行者(当時)。

古本買つてゐる場合ではないのに…… ^ ^ 。

また、芳林堂書店高田馬場店にも寄つた。ここで『「つくる会」という運動がある』(新しい歴史教科書をつくる会編・1998年11月30日初版第1刷発行・扶桑社)と『野鳥歳時記』(山谷春潮著・1995年5月13日第1刷発行・冨山房・冨山房百科文庫47)を購入。前者は地方のお店では見かけない。後者は都心のお店でも見かけない。しかしどちらも良書。

1998年12月8日

啓文堂橋本駅店……朝、「PC WAVE」1999年1月号を購入。歴史的仮名遣で投稿したところ、そのまま「PC Haijin Club」に掲載された。帰りには「UNIX USER」1999年1月号(ソフトバンク)、「機動戦士ガンダム 宇宙世紀vol.2 大事典編」(アニメック特別編集・1998年9月20日初版発行・ラポート)、「機動戦士ガンダム 宇宙世紀vol.3 伝説編」(アニメック特別編集・1998年12月20日初版発行・ラポート)を購入。

丸善ブックメイツ新宿エステック店……寄つただけ。

紀伊國屋新宿本店……寄つただけ。

毎月8日は1993年頃は待遠しい日だつたのだが、最近は詰らない。当時は「The Windows」「Windows Magazine」「POWER USER」「PC WAVE」「DOS/V magazine」が出揃ひ、DOS/Vユーザ(私のこと)はこれらを(立読みも含め)すべて読んでゐた。いまや前3誌は廃刊になり、「DOS/V magazine」は発売日が変はつて、8日に出るのは「PC WAVE」だけとなつた。思ふのだが、最近のPC雑誌は実に良くできてゐるものが多いのだが、あの頃はどの雑誌も(下手な編集なら下手なりに)熱気を持つてゐた。今もなんらかの意味で熱気を持つてゐるのは「PC WAVE」だけで、同誌が生き残つてゐるのは理由のないことではない。営業的に成功した「DOS/V magazine」も、ソフトバンク版「ASCII」とか言はれることもあるが、今も不思議に「熱い」ページがある(買はないのだけれども)。

1998年12月9〜13日

転職して入つた会社の研修のため、多忙につき、読書日記が書けない。なほ、今後丸善ブックメイツ新宿エステック店と啓文堂橋本駅店はデフォルトで寄る店となるのでよろしく(なんのことやら)。

買つた本の記録だけ。もうどの順番で読んだか、わからない。

『僕の血を吸わないで 3』(阿智太郎著・1998年12月25日初版発行・メディアワークス発行・主婦の友社発売・電撃文庫305)

『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー』(上遠野浩平著・1998年12月25日初版発行・メディアワークス発行・主婦の友社発売・電撃文庫306)

この2册は読んだ。

『僕血』は妙に売れてゐるらしい。店頭で『ブギーポップ』より早く売切れてゐた。吸血娘ジルのファン第1号(本当です)の私としては、どんどん彼女の存在感がなくなつていくのが心配。第1巻は、ちよつと頭が変だが異様に可愛らしかつたのに……。

『ブギーポップ』は玄人筋の受けがいいやうです。なぜかこちらもやつぱりブギーポップ本人の存在感がなくなつてゐるのだが……ま、いいか。

「SAPIO」12/23号。「新ゴーマニズム宣言」しか読んでゐない。

『ライカ通の本』(円谷円著・1998年1月1日第1刷発行・小学館・小学館文庫) ……ヨドバシカメラが送つてくれるPR雑誌に載つてゐるライカの連載を読んで、私もライカには親近感がある。どうでもよいが――「やんちやな文庫」とは何だ。小学館文庫の新刊も、新潮や角川の新刊並のラインナップになりつつあるが、このキャッチフレーズのせゐで、一段低いレヴェルの文庫だといふ印象がある。実際は割といい本を出してゐる。ドラえもんの本など出すのをやめれば、一流の文庫にならうものを。

「80年代アニメ大全」好奇心ブック23号(1998年10月19日発行・双葉社) ……「メディアミックスは可能か」のアニメ批評に関する参考資料。一応読んだ。

『思想と動くもの』(ベルクソン著・河野与一訳・1998年9月16日第1刷発行・岩波書店・岩波文庫)……木田元氏が改訂担当。なほ、旧版(3分册のやつ)も持つてゐるが、書込みがものすごいので新版も購入。旧版の前の持ち主はたしかに勉強家だつたのだなあとは思つた。ちなみに署名があつて Daisaku Ikeda とある。神保町の某古書店で1册150円だかで購入したもの。

『こんなに緑の森の中』は谷山由紀女史の最新作。たいへん面白く読んだ(私も半年間遊び呆けたので、妙に内容がリアルに感じられた)。わかつきめぐみ(漫画家)の、特に『So What?』とよく似た雰囲気である。既刊の『コンビネーション』『天夢航海』とも、ジュニア向けでは今時珍しい短篇集(ただし連作短篇)だが、今回は一冊丸ごと長篇。

『コンビネーション』は、最近のソノラマ文庫では珍しい非SF・ファンタジー――なんと野球小説である。店頭でも珍しくなつてゐるし、古本屋にも出ないので註文するしかない。主人公を野球仲間からの視点で描いてゐるが、台詞でなく地の文で心理などをていねいに表現した小説らしい小説。『天夢航海』はファンタジーだが、本そのもの、あるいは本屋さんが好きな人なら楽しめる。『こんなに緑の森の中』は短篇に比べるとさすがに薄味だが、巧みに出来てゐる。

1998年12月14〜15日

『ザンヤルマの剣士 イリーガルの孤影』(麻生俊平著・平成8年2月25日初版発行・富士見書房・富士見ファンタジア文庫372)を読んだ。「ザンヤルマの剣士」シリーズといへばただのアクション小説のやうに思はれるが、今回はなんとオルテガの『大衆の反逆』の話まで飛出した。下手な現代小説よりもジュニア小説を私が好むのも、意外やレヴェルの高い話題が頻出するからである。『ザンヤルマの剣士イレギュラーズ 放課後の剣士』も読んだのだが、もういつのことか(今月に入つてからのはずだが)わからない。

1998年12月16〜18日

『星界の紋章ハンドブック』(早川書房編集部編・1998年12月31日発行・早川書房・ハヤカワ文庫JA609)……アニメの宣伝なので買はなくていいと思ふ。

『ザンヤルマの剣士 モノクロームの残映』(麻生俊平著・平成9年1月25日初版発行・富士見書房・富士見ファンタジア文庫406)を読んだ。若者向けファンタジーだが、内容はきはめて(よい意味で)常識的。変な論理を振りかざす大人向けの純文学(大江とか)よりよほど健全である。

電撃hp」創刊おめでたうございます。考へてみれば、久々の小説誌創刊。長く続けばよいのだが。阿智太郎くんインタビューには個人的に嬉しい文章があつた。

「月刊ASCII」1998年1月号(アスキー)……CD-ROMから起動するLinux目当て。さて、試すとするか。

1998年12月19日

早稲田大学正門前の古本屋で『ヘルダーリン全集1 詩1』(昭和42年3月15日再版発行・河出書房新社)を購入。それにしてもなんで詩を散文で訳すのだらう――詩を訳すときは、意味が伝はればいいのではない。しよせん詩を翻訳することはできない。だが、読者が詩を読む喜びを味はふことは重要である。詩人が(あるいは翻訳者が詩人になりきつて)詩を訳すとき、新たな言語で詩は再生し得るのである。ところがこの『ヘルダーリン全集』の訳は本当の意味での悪訳で、つまり意味を説明するだけの面白みもなにもない訳である。1500円といふ安い値段がついてゐたので買つた。ヘルダーリンは若き保田与重郎が傾倒したドイツ詩人である。

ちなみに保田与重郎の奇妙に魅力的に思はれる文体の正体は、翻訳調の文体である。(ツヴァイクの『昨日の世界』の訳文と保田の文章を比較してみるとよい)保田の文章の美しさは、伝統的な日本語の美しさだといふべきではない――むしろ保田の言語感覚は現代的である。あるいは巧みな翻訳調の持つ美しさを保田の文章は持つといふべきである。

『月蝕紀列伝6 炎狼のシャインデル』(南房秀久著・平成10年12月25日初版発行・富士見書房・富士見ファンタジア文庫558)を高田馬場の芳林堂で購入。

南房氏の『黄金の鹿の闘騎士』は、単なる自由を人は必ずしも求めない――むしろ人として大事なものを求めるしそれは自由より大切なものである、といふ作者の主張がよく表はれた佳作。しばしば不健全である純文学を読むより、ジュニア小説を読む方がよほど健全であることがある。もちろん必ずしもさうとはいへないが、さういへる小説を見いだすのは容易である。俗受けする作品でないものは、たいていよい作品である。

1998年12月20日

BOOK OFF橋本駅南口店開店。サービスカードを作り直す。『道士リジィオ3 煌の輪舞曲』(冴木忍著・平成9年4月25日初版発行・富士見書房・富士見ファンタジア文庫436)を購入。

1998年12月21日

BOOK OFF相模原駅前店――『江戸開城』(海音寺潮五郎著・昭和62年11月25日発行・平成2年4月10日4刷・新潮社・新潮文庫)、『若い人のための人生論2 幸福論』(アラン著・宗左近訳・1965年9月15日初版第1刷発行・1988年11月30日初版第35刷発行・社会思想社・現代教養文庫532)、『北極海に消えた気球』(近野不二男著・昭和53年1月30日初版第1刷発行・社会思想社・現代教養文庫954)、『タイム・リープ・上』(高畑京一郎著・1997年1月25日初版発行・メディアワークス発行・主婦の友社発売・電撃文庫146)、『タイム・リープ・下』(高畑京一郎著・1997年1月25日初版発行・メディアワークス発行・主婦の友社発売・電撃文庫147)、『ディフェンダー』(小中千昭著・1997年3月25日初版発行・メディアワークス発行・主婦の友社発売・電撃文庫157)を購入。余談だが、海音寺潮五郎は国民作家・司馬遼太郎より偉い作家である。アランの『幸福論』は家に何册もある。

BOOK OFF相模原国道16号店でヴィデオ『吸血姫美夕インテグラルバージョン第2巻』を950円で購入――こんなの、中古でなければ買ふものか。ちなみに第1巻は正価で購入し、観てがつかりした。

1998年12月22日

『ザンヤルマの剣士 ファイナルの密使』(麻生俊平著・平成9年8月25日初版発行・富士見書房・富士見ファンタジア文庫464)読了。哲学的・文学的に楽しめるTOGO産業篇と違ひ、アクション性が強まつてゐる。

1998年12月23日

『月蝕紀列伝6 炎狼のシャインデル』読了。デビュー作を髣髴とさせる内容。

BOOK OFF橋本駅南口店で『はじまりの骨の物語』(五代ゆう著・平成5年3月25日初版発行・富士見書房・富士見ファンタジア文庫186)、『機会じかけの神々・上』(五代ゆう著・平成6年1月25日初版発行・平成7年1月20日3版発行・富士見書房・富士見ファンタジア文庫244)を購入。またヴィデオ『魔境外伝レディウス』を550円で購入したが、発売当時の価格が11,000円である。10年以上前の「アニメV」誌に記事が載つてゐたのを見たことがあり、懐かしいので買つたが――忙しいのでいつ観られるのだらうか。

1998年12月24〜26日

「諸君」「正論」1999年12月号は発売中。

『ザンヤルマの剣士 イェマドの後継者』(麻生俊平著・平成9年12月25日初版発行・富士見書房・富士見ファンタジア文庫487)読了。とても中高生向けのファンタジイとは思へない高度な内容。イデオロギーに頭の凝り固まつた人が読むことを期待する。

「月曜評論」を購読開始したことを書き忘れてゐた。

「月刊日本」1999年1月号が発売中なのを忘れてゐた。しかし購入したはいいが、読むところがない。

1998年12月27〜29日

伊勢丹古本市に行く。今回はSF、ミステリおよび良質の古書がきはめてたくさん出てゐた。ハヤカワの銀背・金背は、おそらく全巻出てゐたのではないか、と思はれるほど大量であり、サンリオSF文庫やハヤカワミステリも多かつた。エンタテインメント系の古書以外も、今回は善いものがしばしば目についた。創元選書は私の持つてゐるものしかなかつたが、なかなか一般古書店には出てこない『日本絵画三代誌』が2册もあつた。漫画は例年の如く多い。ただしサンコミックス版の高橋葉介作品になぜか2000円といふ値がついてゐるものがあつたので注意(300円でも出てゐるから欲しければよく探すべし)。購入書籍リストは以下の通り。

余談だが、古本市終了後、エレヴェータで一緒になつた女性が「今回目録が送られてこなくてがつかりした」と言つてゐた。古本の大好きな、素敵なladyでした。古本屋の方へ――目録はちやんと送るやうにしてください! それにしても、この冬京王古書展はなしなのださうで残念。

「室内」1月号を購入。でもまだ前号読みきつてゐないんだよな。

1998年12月30〜31日

風邪で熱を出したにも関らず、30日は出社。小説で熱を出した主人公なんて書くんぢやなかつた。

日記總集篇」へ
トップページ」へ

inserted by FC2 system