初出
「闇黒日記」平成13年5月13日・平成13年5月18日
公開
2001-06-24

「つくる会」の教科書を攻撃する左翼

歴史教科書論爭について。

例の「つくる会」の教科書を非難する手合が屡々主張する事に、「日本・韓國・中國などのアジア諸國で歴史認識を共通にする」と云ふアイデアがある。私はこの意見が、左翼の側から出てゐる事實に驚く。これは「大東亞共榮圈」の思想とどこが違ふのだらうか。

イデオロギーに差異はあるにしても、戰前の右翼と、戰後の左翼のやらうとしてゐる事は結局同じではないのか。


左翼的な教科書に洗腦された生徒を、説得して轉向せしめ得なかつた不甲斐ない右翼を見續けてゐるからだらうけれども、左翼が「右翼的」な教科書を何とかして潰さうとするのは、左翼の自信のなさを示してゐる事にほかならないのではないか。

自らの思想に自信がある思想家は、「どんなに洗腦されてゐる人であつても、自分の説得で十分納得させ、轉向せしめ得る」と信じてゐるし、他人の「洗腦行爲」を絶對の障碍とは認めない筈である。

韓國や中國が、日本の弱體化を狙つて、日本の教科書檢定に干渉するのは、當然の事であつて、咎めるに値しない。隣國を弱體化させようとするのは、防衞の觀點から言つて當然の行爲である。言はば、平和の皮を被つた侵掠が外交なのであり、韓國も中國もさう云ふ常識を忘れてゐないだけである。

だから、問題は、日本人にあるのである。「日本人の敵は日本人」。


ヴォルテール曰く、「私はあなたの意見に反對だ、だがあなたが自分の意見を云ふ自由は命にかけても守る」。右翼が意見を言ふ自由を、左翼は認めないらしい。

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