初出
野嵜健秀(@nozakitakehide)/2010年11月20日 - Twilog
公開
2017-06-25

日本における「現状維持」の位置

日本の「保守主義者」「右翼」は、「何を保守するか」と云ふ基本的なところで「今」と「歴史」と二つの選擇肢を見出してしまふ。ヨーロッパの連中だと「現状維持」=「歴史の保守」なのだけれども、日本の場合「現状維持」=「戰後の歴史の破壞作業の繼續」になつてしまふ。

ヨーロッパだとこれが綺麗に並んでゐるのだけれども、日本の場合、「歴史の破壞」のところに「現状維持」が來てしまふ。ヨーロッパは、現状維持が因襲・退歩に直結してゐて、逆に復古・再生は革新・進歩と結び附いてゐる。ここが日本と違ふ所。

日本でも、明治維新=復古=再生は、革新であり進歩であつたのだけれども、それを戰後に否定したから、話がをかしくなつた。保田與重郎が復古思想を言ひながら浪漫主義者であつたのが、日本の近代の異常さを示してゐる。

T.S.エリオットは、實に簡單で、保守主義の重鎭であり古典主義の重鎭。

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