日本は明治以來、何うあつても西歐化・近代化しなければならなくなつて、最終的にアメリカから民主主義の實現を強要された訣ですが、これは最う反抗するわけにも行きません。
明治天皇も昭和天皇も、前近代的な體制では日本がやつて行けないとはつきり解つてゐて、それで立憲君主制の君主としての立場を守らうとされました。
もちろん、民主制にしても何にしても、西歐の文物を日本人が血肉化する事は――少くともこの先暫くは無理でせう。けれども、かと言つてまた日本は鎖國するわけにも行きません。
明治以來の大方針――近代化・西歐化を、日本人はこれからも仕方なく永遠に續けて行くしかないでせう。