2001-05-31

『職人を泣かせて建てた三〇〇年住める家』

小奇麗な近代的な住宅も、古くなるとぼろが出る。さう云ふ建賣住宅や中古住宅許りに住んでゐた著者は、或日、土地を探して自分たちで滿足できる家を建てるしかない、と決意した。

色々な人に相談していくうちに、筆者は、家を愛する大工や建築家、そして木を愛する材木屋の心意氣に惹かれるやうになり、たうとう栗の木で家を建てる事を決意してしまつた。

「暴れる木」である栗で家を建てるのは非常に難しいさうである。その爲、關係者は苦勞に苦勞を重ねた。完成した時の打ち上げパーティで喧嘩まであつた。それだけ皆、眞劍だつたと云ふ事である。

職人仕事が通用しなくなつてゐる、と云ふよりは、理解されなくなつてゐる事が、今の時代の問題である。

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『職人を泣かせて建てた三〇〇年住める家』
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