初出
「闇黒日記」平成13年3月11日
公開
2001-11-01
最終改訂
2001-11-17

歴史とは何か

本書は「歴史とは事實の認識過程である」と云ふ、「過程説」に基いた面白い歴史概説である。實は本書は「看板に佯りあり」で、「歴史とはなにか」ではなくて「或歴史は、いかなる理由で書かれたのか」を扱つてゐる。

内容

歴史は科学ではなく、物語であり文学である、と云ふキャッチコピーが勘違ひを誘ふので「危險」。小林よしのりの言ふ「フィクション」と云ふ事ではないので要注意。

「歴史家が自分の認識を通して事實を再構成したものが歴史と云ふものだ」と云ふ意味なのであり、歴史を讀む側の心構へを岡田氏は説いてゐると見るべきである。歴史家の認識と云ふフィルタを通して再構成された歴史を讀む側は、注意しなければならない、と岡田氏は言つてゐるのである。

一方で、歴史を書く側は、飽くまで個人の視點を超えた普遍的な歴史を書かうとしなければならない、と岡田氏は主張する。

だが、特定の思想に偏向した歴史は同じ思想を持つた人々に評價されるものであり、特定の思想に偏向しない普遍的な歴史──よい歴史──は屡々多くの人に嫌はれる。それは困つた事だが、いつかはよい歴史も役に立つ時が來るだらう、と岡田氏は本書の結語で述べてゐる。

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