漢字の良くない點が屡々指摘されるが、一概に漢字は惡いものとは言へない、要は使ひ方の問題だ、と著者・高島俊男氏は主張する。もともと文字を持たない日本人が外來の漢字を日本語の表記として實用的なものにしてきた努力は評價すべきである、「国語改革」はさう云ふ日本人の努力を無意味なものにしてしまつた。
しかし、さうは言つても漢字には違和感を覺える、と高島氏は告白する。