本書におさめた四つの論文は、「最も必要なものだけの國家」「技術」「善の意味」(一-六)が、既に一度發表されたもので、「善と必然との間に」「善の意味」(七-一七)が、このたび新しく書き加へられたものである。發表時日は、「技術」が最初で、昭和十九年(一九四四年)に、雜誌「思想」(二二六號)へ載り、ついで「最も必要なものだけの國家」が、昭和二十一年(一九四六年)の、同じく「思想」に發表され、それから少し間をおいて、「善の意味」の最初の部分が、昭和二五年(一九五〇年)、京都哲學會の「哲學研究」(三九七號)に掲載された。……。