櫻花さんささめく
2009年11月13日のお話
- 櫻花
- アニメのささめきことを觀てゐるんだが……。
- 蜜子
- ん。
- 櫻花
- レズはいいとして。
- 蜜子
- いいの?!
- 櫻花
- すごくいい。
- 蜜子
- すごくいい!?
- 櫻花
- が、そんな事は何うでもいい。
- 蜜子
- いいの?
- 櫻花
- ああ。わたしはレズも好きだが、本の方が遙かに好きだ。
- 蜜子
- ……それも何うかと思ふが……。
- 櫻花
- 私は言ひたい。臺所に本を置くなと。
- 蜜子
- 第五話……。
- 櫻花
- と言ふか、讀めればいいからと言つて本汚すな。
- 蜜子
- 讀めるだけではダメですか。
- 櫻花
- ダメです。だつて、本は自分一人のものではないのだから。
- 蜜子
- あなたのコレクションではないの?
- 櫻花
- 今はただ、たまたまわたしの手もとに集まつてゐるだけよ。私がゐなくなれば、ばらばらになる。
- 蜜子
- それでいいの?
- 櫻花
- 私が死んだら、この本はまた、古本屋さんを通して、必要としてゐる人の手に渡る。それでいいのよ。
- 蜜子
- ふうん……
- 櫻花
- だから、目の前にある本は、わたしのものであつて、わたしのものではない……本はもともと、さう云ふものなのよ。
- 蜜子
- ……と云ふせりふを、おせんべ食べつゝ本を讀みながら言つても、説得力ないわよ……。
- 櫻花
- 倉田は本の事がまるで解つてゐない。R.O.Dの時も解つてゐなかつたが、今も全然解つてゐない。倉田はダメだ。
- 蜜子
- ……とりあへず無闇に敵増やす發言は、やめようよ。
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