櫻花が斬る
2005年12月27日のお話
- 櫻花
- 植草甚一なんて古いよ。今時植草なんて讀んでゐる奴は時代錯誤。
- 蜜子
- 何をいきなり。
- 櫻花
- みすず書房の本ばつかり讀んでゐる奴つて如何にもアレでせう? でも、晶文社の本ばつかり讀んでゐる奴もアレだと思ふの。
- 蜜子
- アレとか言はれても何とも言ひやうがありませんが。
- 櫻花
- なんかね、最近の「古本ブーム」みたいなノリ? あれつて嫌だと思ふ訣よ。古本マニアつてそんなにスノッブだつたつけ。
- 蜜子
- 唐沢俊一とか、坪内祐三とか……。
- 櫻花
- ヤダヤダ、「古本マニア」。最近はこんなのが「古本マニア」の典型みたいですよ。
- こんな恰好した人、神保町にはゐません。今の季節だと、紺色のコートを着たリタイア寸前のサラリーマンみたいなおつさん多數。微妙にしよぼくれてたりする。
- 蜜子
- なんか、趣味の本ですか、大正デモクラシーの頃とか昭和初期とか、そんな頃に出たふざけた本、その手の本が大人氣だとか?(よく知らない)
- 櫻花
- 趣味とかー雜學とかー。何ですか、文學と言つたら連中にとつては「おブンガク」みたいな感覺なんではないですか。バカぢやないの。
- 蜜子
- 櫻花さんは文學、好き?
- 櫻花
- 文學はいい。大好き。あたしはね、お遊びには興味ありません。ヒマなんでせうねー連中。サブカルサブカルつて、文化そのものよりも價値があるらしいけど、なんか寒い感じがする。
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