バーチャルネット古本オタク櫻花18歳
2002年5月13日のお話
- 櫻花さん
- 先程、図書館入口脇で目撃したのですが。
- 蜜子さん
- はあ。
- 櫻花さん
- 貸出予約の入っている本のベストテンが掲示されていました。
- 蜜子さん
- 人気の本の題名がずらりと並んでたわね。
- 櫻花さん
- 宮部みゆきやらハリーポッターやらが載っていました。
- 蜜子さん
- ま、そんなとこですかね、最近の流行りは。
- 櫻花さん
- で、今、何人予約してるかが、書名の脇に出てたんですが。
- 蜜子さん
- ふむ。
- 櫻花さん
- 1冊あたり、100人だか200人だかが、予約してるんだと。
- 蜜子さん
- 凄い人気ですね。
- 櫻花さん
- もう、馬鹿か、阿呆かと。
- 蜜子さん
- ん?
- 櫻花さん
- 宮部もハリポタも、そんなもん、そこいらの本屋に行けば、平台で売られてる本じゃないか!
- 蜜子さん
- ……まあ、そうですが。
- 櫻花さん
- そんなに読みたきゃ、自腹切って買えと。けちけちするなと。
- 蜜子さん
- ……んー。
- 櫻花さん
- 図書館も図書館だ。わたしゃ最近、図書館に本格的に愛想をつかしまして。
- 蜜子さん
- ……。
- 櫻花さん
- どうせだから、「市民の求める本を提供する」とか何とか御託を並べて、1000冊づつくらいベストセラーを買い捲って、壁一面宮部とか、棚一列ハリポタとかにしてみろってんだ。
- 蜜子さん
- ある意味劃期的な提案ですが……それは、問題になるんじゃないですか。
- 櫻花さん
- その通り。問題にしなければならんのですよ! 今の図書館のあり方は、本格的に問題にされなければならないのです!! そのきっかけとして、「ベストセラーしか置かない図書館」を作って、税金の無駄づかいとして、良識ある市民による糾弾運動を惹起こさなければならないのであります!!(どんどん! 机を叩く)
- 蜜子さん
- ……それはいいですから、静かにして下さい。
- 櫻花さん
- 静かにだと? これは重大な問題なのだ!! これが昂奮せずして喋れるか!!
- 蜜子さん
- いや……ここ、図書館だし。
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