櫻花さん番外地
2001年11月25日のお話
- 蜜子さん
- 寒くなったわね。
- 櫻花さん
- 白い息を吐きながら。
- 蜜子さん
- 吐きながら?
- 櫻花さん
- 古本屋さんの扉を開ける。
- 蜜子さん
- ……。
- 櫻花さん
- 妙にむっと熱い空気が顔に当たる。この瞬間、ああ、いよいよ冬だ! とわたしは思います。
- 蜜子さん
- 暖房のきき過ぎで、冬を感ずる?
- 櫻花さん
- 要は、立読み客を追出したいんですな。
- 蜜子さん
- さいですか。
- 櫻花さん
- でも、暖房の全然きいていない店より、増しです。
- 蜜子さん
- むう。
- 櫻花さん
- 寒いと、お腹が痛くなります。お手洗いに行きたくなります。もちろん、大。
- 蜜子さん
- 汚いね。
- 櫻花さん
- 本屋さんは、お手洗いをちゃんと用意して下さい。義務です。
- 蜜子さん
- 義務ですか。
- 櫻花さん
- そうです。ちゃんと掃除しておくこと。
- 蜜子さん
- いや、ここで命令されても。
- 櫻花さん
- それから。
- 蜜子さん
- それから?
- 櫻花さん
- お手洗いにも、暖房を入れて下さい。
- 蜜子さん
- 本の話はどこへ行ったんですか?
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