櫻花さん番外地
2001年10月4日のお話
- 蜜子さん
- 今回は実用講座です。
- 櫻花さん
- 古本屋さんの使い方講座。
- 蜜子さん
- ……使い方なんて、あるの?
- 櫻花さん
- 古本屋さんには古本屋さんの仁義というものがあります。
- 蜜子さん
- 仁義?
- 櫻花さん
- はい。不文律と言うべきものです。
- 蜜子さん
- 不文律?
- 櫻花さん
- 別名、暗黙の了解。
- 蜜子さん
- いや、その手のものは何であれ、あると言えばあると言えるし、ないと言えばないと言えるし。
- 櫻花さん
- 古本屋さんに入るとき、お店の人と目を合わせてはいけません。
- 蜜子さん
- ふむ。
- 櫻花さん
- 内気な親爺さんが恐縮します。
- 蜜子さん
- むう。
- 櫻花さん
- 本を乱暴に扱ってはいけません。
- 蜜子さん
- 商品だからね。
- 櫻花さん
- いつかその本が欲しくなった時、自分の過失で悪い状態にしてしまっていたのでは、悲しいではないですか。
- 蜜子さん
- そういう理由かい。
- 櫻花さん
- 逆さまになってたり、出っぱってたり、奥に押込まれていたり、何か変な風に並んでる棚の本は、直します。
- 蜜子さん
- 気配りね。
- 櫻花さん
- そんなあなたは、神経質なお客さんです。
- 蜜子さん
- おい。
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