蜜子さん番外地
2001年7月5日のお話
暑いね。
- 櫻花さん
- 今日も暑いね。
- 蜜子さん
- 暑い……暑い。暑いわよ。それが何? あたしに喧嘩売ってるの? 今後「暑い」って言ったら罰金100円。
- 櫻花さん
- いらいらするのはわかるけど、わたしにやつあたりしないでほしい。それはそうと。
- 蜜子さん
- ん?
- 櫻花さん
- 今日は古本屋さんで、こんなに本を買ってきてしまいました。
- 蜜子さん
- また部屋が暑苦しくなったじゃない。いいかげん、本を買うの、止したら?
- 櫻花さん
- わたしから古本をとりあげたら、何が残るっていうの?
- 蜜子さん
- マニアの開き直りね。確かに、古本を喪ったあんたに残るものなんて、眼鏡くらいしかないけど。(二人とも、眼鏡ッ娘なのである)
- 櫻花さん
- その残し方も恣意的でマニアックだと思うけどまあ良いわ。それはともかく、本が部屋中に山積みになっているので、整理したいと思います。
- 蜜子さん
- 整理? 古本屋に持ってくの?
- 櫻花さん
- そんなことはしません。私が死んだら、遺った本は古本屋に持ってってもらうけど、私の目が黒いうちは、そんな事、させません。
- 蜜子さん
- じゃ、何をするのよ。
- 櫻花さん
- 棚を買ってきました。これから組立てます。手伝いなさい。
- 蜜子さん
- 何か命令してるし。いやよ。暑いのに。
- 櫻花さん
- いいじゃない、手伝ってよ。せっかく古本と一緒に抱えてきたのに。
- 蜜子さん
- よくそんなに抱えてこられたわね。
- 櫻花さん
- 両手いっぱい荷物抱えて古本屋に入ったら、古本屋の親父さんに、店頭100円均一の本、おまけしてもらっちゃった。
- 蜜子さん
- ……。
- 櫻花さん
- 何沈黙してるのよ。良くある話じゃない。
- 蜜子さん
- ないない。
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