武林無想庵については山本夏彦『無想庵物語』が詳しい。
戰前、「サフオ」の飜譯で名を轟かせ、自身のスキャンダルを扱つた小説「『Cocu』のなげき」で名を殘す事になつたものの、文學者としては失敗に終つた。その他、「サニン」の飜譯あり。
大東亞戰爭中に失明。戰後は個人雜誌「むさうあん物語」を發行した。晩年、ゾラの飜譯を口述で續けたと云ふが、これは出版されてゐない。
八十二歳で死去。