青色日記:平成二十三年七月


平成二十三年七月二十七日
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平成二十三年七月二十六日
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平成二十三年七月二十六日
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平成二十三年七月二十五日
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平成二十三年七月二十五日
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平成二十三年七月二十二日
新連載おもちクリーチャーライトノベル「にゃもちくんは生徒会長」第一回。らのべなので新字新かなです。

それは、とある晴れた朝の事だった。雨上りの気持ちの良い朝である。ぼくは道を歩いていた。

すると、クリーチャーの子供達が集まって、何か話しているのが目にとまった。普段なら気にせず通り過ぎてしまうところだが、彼等はぼくをちらちら見ている。そこでぼくは彼等のひそひそ話に聞き耳を立ててみた。

予想通り、彼等はぼくの友達の噂をしていた。

「にゃもちくん、生徒会長に立候補する!」

彼等はいつも噂をしている。その噂は、本当の事もあり、根も葉も無い噂に過ぎない事もある。

しかし、ぼくは、無い首をかしげた。彼等は何を言っているのだろう。すぐにはちょっと理解できなかった。

「にゃもちくん、生徒会長に立候補する!!」

生徒会長……?

「にゃもちくん、生徒会長に立候補する!!!」

ちびくんが大声を張上げた。もう「噂」のレベルではない、ぼくがいかにも胡散臭そうな表情を浮かべていたからだろう、聞こえるように言ったのだった。

ぼくは、頭の上にクエスチョンマークを浮かべて、ちびくんを見詰めた。

嘘じゃないやい、ちびくんは飛び上がった。彼等はひどく熱心に、噂は本当だと主張した。ぼくは、しかし、なかなか信じられなかった。

けれども、そこに荒川智則もちくんがやってきたのであった。彼は、お得意の、凄く困ったような顔をしながら、ささやいてくれたのである。

「にゃもちくんが生徒会長に立候補するそうだ……」

噂は本当らしい。ぼくは絶句した。

そして。

ぼくは、にゃもちくんが選挙活動しているのに、実際、出くわしたのである……。

噂は本当であった。まさかと思ったが、本当であった。

「にゃもちくん……」

「にゃー」

にゃもちくんは元気に答えてくれた。あいかわらずである。

ぼくはにゃもちくんがいろいろな事にチャレンジするのを、いつもあたたかく見守ってきた。にゃもちくんはチャレンジするのが大好きで、しかも熱心だった。それは、はたから見ていても楽しげだった。だからぼくは、いつも彼のチャレンジを応援した。ぼくはにゃもちくんが大好きなのだ。

もちろん、にゃもちくんのする事だから、無茶なチャレンジも多かった。だからこそ、ぼくなんかは彼をサポートしたくなったのだ。毎回毎回、にゃもちくんは大騒ぎして、ぼくらを巻き込み、そして目標を何とか達成しては、にゃーにゃー言った。ぼくは毎度、それを楽しみに、にゃもちくんを手伝った。

けれども、生徒会長になる、なんてのは、ちょっと今までのチャレンジとは意味が違う。それは、おもちクリーチャー界では、あり得ない出来事だ。

一言で言って、にゃもちくんにはとても無理だ。

かのおもちくんですら、生徒会長にはなれなかったのである。毎度一生懸命なにゃもちくんには悪いけれども、無理だと思う。

にゃもちくんが用意したたすきをかけて、一緒に並んでいたけれども、ぼくは目に見えてぶすっとした顔をしていたはずだ。つっこみ役の普段の顔より、さらに不機嫌そうな顔……。

しかし、にゃもちくんは気にしていないようだった。道行くクリーチャーたちに、愛想を振りまき、体をこすりつけている。にゃーにゃー言いながら迫ってくるにゃもちくんに、クリーチャーたちは苦笑していた。

そんな中、クリーチャーの間から、一人のすまいるくんが跳んできた。おもちくんのパートナーのすまいるくんだろう。外見から、すまいるくんたちは区別がつかないので推測するしかないが、多分間違いないと思う。

「こんにちは! にゃもちくんのお守りも大変だね、こもちくん!」

すまいるくんはにこにこしていた。

「んー大変ってほどの事はないけれども……」

「いやいや、彼の行動力に付き合うのは大変だよ!」

「まあね……」

確かに、ぼくはにゃもちくんにいつも振回されている。ちょっとうんざりぎみな表情になったりもする。けれども、内心ぼくはいつも苦笑しているのだ。そしてぼくが苦笑する時は、苦痛を感じているわけではない。

そんな事を心の中で考えていると、すまいるくんはにこにこするのをやめ、眉間に皺を寄せながら尋ねてきた。

「今回は生徒会長に立候補だって?」

いかにも困ったような表情である。

すまいるくんは、クリーチャーではない。クリーチャーの世界に住む陽気な住人ではあるが、クリーチャーとは違う存在だ。どうやらぼくたちの生活を陰から支えてくれているらしい。そんなすまいるくんが、困惑しているのだ。

「うん。一度言出したら、なだめてもすかしても、絶対にやめないんだ」

「知ってる。にゃもちくんって意外と頑固だよね」

そう、にゃもちくんは、柔らかい外観に似ず、頑固なのだ。だからぼくはいつも、彼がやり出した事には反対しない。あたたかく見守るだけである。だけど……。

「頑固で困るよ。今度もまんがか何かで読んだらしい、生徒会長になりたくてしょうがないんだって」

頑固なのに、妙にいろいろな事に影響を受けやすい――それがにゃもちくんである。

ぼくたちは揃って溜め息をついた。

「そりゃ困ったねえ……」

「困ったよ……」

生徒会長になる……にゃもちくんはいとも気楽に決意したらしい。なにしろまんがで読んだ事なのだ。気楽にできる事だろうと、彼は思って、真似したのである。しかし、生徒会長になる事は、彼が思っているほど、クリーチャーの世界で、容易な事ではない。

「まずは無理だろうね。こんな事を言ってはいけないんだろうけど、無理じゃないかな」

すまいるくんは、気がかりそうな表情である。

しかし、にゃもちくんは、一度決めた事は、絶対実行するのである。とにもかくにも実行。やめろと言われても聞く耳持たない。だから今回も、最後までやり通すはずである。

ぼくはすまいるくんにそう話した。すまいるくんは苦笑した。

「しかたがないね。何でも手伝うよ、がんばって」

「ありがとう。にゃもちくんには最後まで付き合うしかないんだ。がんばるよ」

ぼくは悲愴な覚悟を固めた。

すまいるくんは勢いをつけて跳ね上がると、どこかに跳んでいった。多分おもちくんを探しに行ったのだろう。

にゃもちくんは脇でにゃーにゃー言っている。


平成二十三年七月十八日
にゃんどぅーぼっと
吹いた。
平成二十三年七月十八日
にゃんどぅー診断
こちらは老舗。何も知らない人を困惑させる診断として有名。

平成二十三年七月九日
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平成二十三年七月七日
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平成二十三年七月五日
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