公開
1999-05-19
最終改訂
2001-08-04

感想

機動戦士ガンダム

理念なき戦争なんてものを描くから「大人は何もわかつちやくれない」といふ幼稚な主張が出てくるのである。「ニュータイプ」の思想と「大人は何もわかつちやくれない」といふ主張はイコールである。

宇宙戦艦ヤマト

理念なき生き残りの為の戦争を描くから、「愛」「愛」と空疎な言葉でごまかさなくてはならなくなるのだ。

超時空要塞マクロス

理念なきブービートラップによる戦争を描くから、歌による平和なんて奇麗事を言ふ様になるのである。プロトカルチャーといふ言葉で飾つてもミンメイの歌は下手である。

カウボーイビバップ

異様なまでに評価が高いが、こんなにだらけた雰囲気の作品は私の好みではない。

未来警察ウラシマン

おしやれな話の積りなのだらうが、やはりかういふだらけた雰囲気の話は退屈でしかたがないのである。

機動警察パトレイバー

だらけた話は嫌ひだといふのに。

ルパン三世

だらけた話ばかりなので再放送がはじまつても途中で観るのをやめてしまつた。パート1は殆ど見てゐないし、パート2は豪華客船が沈む第1回とルパンは偽物だといふトンデモ的最終回だけを5、6回観た。パート3は評判が悪いが、観た事がないので何とも言ひ様がない。

熱砂の覇王ガンダーラ

だらけた話は要らんといふのに26話もやつた。マクロス7の二の舞を演じたビッグウェストは不可。

科学忍者隊ガッチャマン

今再放送してゐるのを見てゐるが、説明だけの為の台詞が多用され、説明だけの為のストーリーも多すぎる。ストーリーアニメーションとしてストーリーが余りに拙い。またシリアスなSFの宿命として、その科学的側面がすぐに古びるといふ問題も抱へてゐる。

DTエイトロン

哀愁のあるいいエピソードがたくさんあるが、最終回がぶち壞し。全てが徒労だと言切るのならば、フィアが生残つたのは余りに哀れ。エイトロンも存在意義がなかつた事になる。一切の説明を省略したといふよりは、単に手を抜いたといふ印象しか我々は持つべきではない。

ヴァイスクロイツ

作画レヴェルの低さ、脚本の拙さは指摘されてゐる。しかしこの作品の一番の問題は、登場人物が死ぬのにスタッフが何の抵抗感も感じてゐない事である。登場人物に対する愛情が感じられない作品ほど詰らないものはない。僅かに凰華だけが生き生きと動いてゐたが、途中でやはり殺されてしまつた。それ以前も低レヴェルだが、それ以降のレヴェルの低さはギャグだと思はないと腹が立つだけである。ただ新書館のウィングス連載の漫画は一般に低レヴェルであり、この作品の作画やストーリーはさうした新書館のスタイルに忠実に従つてゐるのだと見るならば、確かにこれほど忠実なものはない訳で、この作品の印象は全く変はつてくる。

トライガン

平和ほど退屈なものはないといふ常識がアニメーションに戦ひを持込んでゐる筈なのだが、それを反省してみせた作品。特に主人公ヴァッシュが戦ひたくないと駄々をこねる後半は見苦しく、観念的で、退屈でかなはなかつた。

風の谷のナウシカ

物語の壮大さに目を奪われる事が多いが、ナウシカのキャラクターが弱いといふ重大な弱点が指摘されたことがない。宮崎監督の操り人形以上の存在ではない、言換へればリアリティのない薄つぺらなキャラクターだといふ事だ。しかしこれは宮崎アニメの女性キャラ一般に言へる事なのである。

ジェネレイターガウル

エヴァ製作元のタツノコが自前でエヴァをやると、それなりの話しか作れないが、それなりの決着もつけられるといふ見本。自分で自分の所のパロディをやつた学園祭の話は笑へるが哀れでもある。

アンドロイド・アナMAICO2010

WOWWOWアニメコンプレックスの中で一番面白いと評判であつたが事実アニメとしては悪くない出来である。ただ音楽担当の須賀氏が退社するのと全く同時期にスガが死ぬといふアニメのストーリーには疑問が残つた。まさかスタッフからの当てつけではないだらうし現実をアニメに投影して評価すべきではないかもしれないが、ひよつとしてそれだけの理由でスガが死んだのではないかと思ふと後味が悪いのである。

Legend of BASARA(第1期)

『彼氏彼女の事情』が原作の漫画の表現に忠実なアニメーションだとして評判になつたが、こちらの方がうは手である。原作の台詞ばかりでなく独白までをそのまま使用してゐた。ただし終盤の青の都に行く話は原作を思ひ切つて端折つてゐたが、そこは原作でもだれてゐる所なのでアニメ化でつづめたのは妥当な判断である。ただアニメが原作に忠実なのは、原作の弱点もそのまま引継ぐといふ事にほかならない。『BASARA』も原作のリアリティのない設定といふ弱点をそのまま受継ぎ、リアリティのないアニメーションとなつてゐた。それから、早く続きを作る様に。

センチメンタルジャーニー

一話一話別の少女が主人公で、独立した話なのでまとめて評価すべきではない。また私は第3話からしか観てゐないので、最初の2人については何も言へない。ただ、どの話も大したものではないといふ印象であつた。個人的には大阪弁で喋る女の子が一番魅力的に感じたが、方言にリアリティを感じただけである。それからラムネ壜が語り手の回は馬鹿馬鹿しかつたが、雰囲気だけはホラー調であつた。途中で美夕が出てくるのではないかと思つて観てゐたら事実、作画監督は本橋秀之であつたので納得したがそれは余談である。

真夜中の探偵ナイトウォーカー

紫藤がヒーローとして魅力的でないといふ時点で終つてゐた作品。全体的に野暮つたい話ばかりであつたのも物語への興味を殺いだ原因である。

フォーチュンクエストL

これほど低レヴェルなストーリーをよくも読者は支持するものだといふ原作小説の雰囲気をそのまま持つてきたアニメーション。もちろんアニメーションとしても余りに低レヴェルなストーリーは観るのも苦痛だつたのだが、とりあへず我慢して全部観た。確かにストーリーそのものは無難に纏まつてゐて破綻が無いのだが、破綻するほどのストーリーでないのも事実。小説版は「この程度でいいんだな」と勘違ひした小説家志望者を激増させたが、はつきり言つてこの程度のストーリーでは今時どんな新人賞でも通用しない。しかし『フォーチュン』のアニメ化はさういふ小説家志望者をさらに増やしてゐる筈──かかる低レヴェル小説をアニメ化した責任は重い。

怪盗セイントテール

変身シーンの白々しさに参つて途中で観るのをやめた。或は全体に恥づかしいシーンばかりで構成されてゐた記憶がある。

ありすinサイバーランド

OVAだと思ふが、一度だけテレビ東京深夜に放映された事があり、それを観た。それなりに面白かつた事は面白かつた筈なのだが、話の内容が記憶に残つてゐない。PCやネットワークをインナースペース的に或はニューウェーヴ的に表現したアニメーションの嚆矢といふべきものであり、lainの直系の御先祖である。作画を良くし、デザインを洗練させるとlainになる。小中さんの作品でおなじみ3人娘が出てくるが、むしろ注目はヘルゲイツであらう──英利政美の御先祖様である。今観られるのならば非常に楽しく観られるだらうと思ふが、制作元グラムスが倒産し、どうにもならないのは残念である。

ダーティペア

小説版のキャラクターのキャラクターとしての面白さを強調しSF色を薄めた作品。ユリとケイの派手さ可愛らしさを除くと、ストーリーも脇役もぱつとしない。しかしTVアニメーションに風俗を採入れた嚆矢といふべきものである。野暮つたいアニメーションが氾濫する中で、いまだに群を抜いてスタイリッシュであるのは事実である。映画版のサウンドトラックの出来のよさも特筆すべきである。ただしサウンドの良いアニメーションに限つて話が面白くないといふのは残念ながら事実である。

時空転抄ナスカ

13話も続けるべき話ではなかつた。NHK BSの夏休みアニメ劇場でほかの作品のおまけ枠30分×3回でやればよい。こんな出来でヴィデオを売らうといふのは無謀もいい所の筈だが、なぜか商売になるらしいのだから不思議。

星方武侠アウトロースター

伊東岳彦は「燃える」といふ事を強調してゐる──しかしストーリーの中でいくら熱血的にキャラクターが動いたり喋つたりしようが、視聴者が白ける様なものではぶちこはしである事を知らない。この作品も相変はらず白々しい台詞が多く、観てゐられなかつた。ファンタジー世界にスペースオペラの皮をかぶせてゐるのも不可。

ロストユニバース

前半はだらしない話ばかり──だが後半は、余りに危機的な状況にCG担当会社と監督が死に物狂ひで作らざるをえなくなつたためか、妙に悲壮な雰囲気が生じて却つて面白く観られる様になつた。前半からは想像も出来ないほど後半はシリアスなストーリーであるが、切迫した状況下であるといふのに手抜きをせず、ストーリーを馬鹿正直なまでに真面目に作つてゐる。同じ制作体制の崩壊でも、監督があきらめたエヴァなどとは正反対であり、ロストユニバースの方が余程増しなのである。

不思議の海のナディア

気に入らない回を庵野監督はポケットマネーで作り直した。庵野監督はのちに、ナディアには不満があると言つた──しかし途中で投出されたカレカノより、気合が入つたナディアの方が高く評価されるべきなのは当然である。監督の思ひ入れのある作品は面白く観られる。

ウェディングピーチ

せらむん−武内直子=ウェディングピーチ。

セーラームーンが洗練されてゐたのは武内直子のセンスの御蔭である。ウェディングピーチの何と野暮つたい事。

人造人間キカイダー

「良心囘路」ッて何ですか? 何でソフトウェア的に處理しませんか。

Initial-頭文字-D

「頭文字-イニシャル-D third stage」を、例によつてとあるルートより入手、鑑賞。

イニシャルDの世界では、走り屋に惡人はゐないんですねえ。憎々しげな走り屋が、藤原拓海に負けると、妙に好い人になつてしまふ。全篇を通して嫌な奴は、走り屋以外の一人だけ。

嘘臭いが、良い話と言へば良い話です。

inserted by FC2 system