公開
2000-04-07

聖ルミナス女学院 感想その2

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チャンネルNECOで「聖ルミナス女学院」が毎月4話づつ再放送されはじめたので、また觀てゐます。これが實に面白い。

「美夕」と「ナスカ」、そして「十兵衞ちやん」を除く全ての月曜深夜25時テレビ東京枠のアニメーションを、トライアングルスタッフが製作してゐます。この時間帶に放映されたトラスタ制作のアニメーションには、一つとして駄作がありません。

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「ルミナス」は「lain」の後番組と云ふ事で、相對的に評價が低くなりがちだつたのですが、改めて觀ると、驚くほど周到に下準備がなされた上で製作されてゐて、見事な出來です。枠組が餘りにあざとすぎる──と云ふか、下心が「見え見え」なのは事實です。しかしその枠を何とかして乘越えようとする努力もまた、明かに見て取れます。「ルミナス」で一番評價されるべきなのは、以前述べたやうに、次囘へと興味を繋ぐミステリアスな雰圍氣に頼り切つた事です。主人公が必死になつたり、「トンデモ」的な話が出て來たりしても、それらは「良い付合はせ」程度のものであり、物語の魅力は、ひたすら謎めいた展開が續くばかりであると云ふただ一點に絞られました。

「ブギーポップ」では、物語の最大の魅力である「ブギーポップ」が分裂し、魅力を擴散させてしまつて失敗しました。しかし、それとはまるで正反對の演出が、「ルミナス」ではなされてゐます。「ルミナス」で制作者は、「コア」なファンにしか受けない設定の裏をかく事で、一般性を獲得してゐます。「ブギーポップ」で制作者は、一般的に受ける作品の裏をかいて、「コア」なファンにしか受容れられないものにしてしまひました。

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