以下はYahoo!ブログで書いたとある記事にトラックバックを貰ひ、そこで受けた批評に對して、コメント欄で述べた事。一往これだけでもまとまつた内容になつてゐると思ふ。
とらばの件。知それ自體は快樂でないと思ふ。本を讀むのつて疲れるし。俺の場合、「それでも讀む價値がある」と言ふのなら「讀む」といつた程度。一箇の作品として構築されたものは案外ただの受身で享受出來るものではなく、どれも鑑賞者の積極的な關與が必要になる。
例へば、あにめなんかであつても、土曜深夜のtvkみたいになるとこれは最う死の行軍で、觀終へた後にはぐつたりする事がある。バラエティとかよりよつぽどあにめなんかの方が知的な努力を必要とするものだ。ただだらだら流し觀するだけでは濟まないんだよ。
もちろん「たのしみ」なら「たのしみ」でいいんだけれども、俺としては豫め「たのしみかた」を教へて呉れたつて良いだらうと。松原先生の文學の授業が面白かつたのは、或種の文藝作品がどのやうな理由で面白いかを教へて貰へたから。
それに、どんな知的なものであつても、それが知識として押附けられるだけならば、ちつとも面白くはないし。