- 制作者(webmaster)
- 野嵜健秀(Takehide Nozaki)
- 公開
- 2007-03-23
雜誌「新劇」
- 「新劇」は演劇の雜誌。版元は白水社。
- 誌名は福田恆存の「提案」に據るものだとか(第22号の「座談会 『なよたけ』を中心に」における田中千禾夫の發言に據る。不明)。
- 安部公房・椎名麟三・武田泰淳・福田恆存「座談會 戲曲をなぜ書くか」を掲載。
- 芥川比呂志・飯沢匡・福田恆存・戌井市郎・神西清・矢代静一・杉村春子・長岡輝子・田中千禾夫「座談会 『なよたけ』を中心に」を掲載。
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- 特集:文学座脱退問題をめぐって
- 戌井市郎(文学座)「"分裂"始末記」
- 長岡輝子(文学座)「私の思うこと」
- 神山繁(現代演劇協会・雲)「反省から出発へ」
- 関堂一神山繁(現代演劇協会・雲)「私たちの方向」
- 北村和夫(文学座)「妻へ」
- 現代演劇協会 雲 創立声明書(福田恆存)
- 文学座側からのあいさつ文(文学座)
- 本誌編集部「文学座脱退問題の背景
- 匿名の筆者による時評「劇界往来」欄でも「文学座問題」の事が採上げられ、
劇団の創立者であり、現在でも最高責任の地位にいるはずの幹事の一人の態度
が糺彈されてゐる(名前が擧げられてゐないが岩田豐雄の事と判る)。
- 「評論特集」に菅原卓が「新劇団経営の珍説――福田恆存氏の新劇団経営論批判」と題した文章を寄せ、惡意に滿ちた「福田批判」を展開しつゝ、劇団民藝の「健全な經營の状態」を自慢して見せてゐる。
- 創刊十周年記念号。特集:新劇・この十年。倉林誠一郎「岐路に立つ新劇経営――この十年を顧みて――」、内村直也・小山祐士・菅原卓・田中千加夫・久板栄二郎「座談会 現代と対決する劇作家たち」、福田恆存・田中千加夫「対談 新劇と近代文化」等を掲載。
- 「新劇トピック写真集」には興味深い寫眞が載つてゐる。以下は寫眞(省略)のキャプションから。
岸田国士は昭和29年3月4日、『どん底』初日の前日、舞台稽古中に倒れた。これはその数日前、稽古場で仕上げを急ぐ元気な岸田国士氏。
昭和38年1月14日、福田恆存を中心にして、芥川比呂志以下文学座の若手中堅俳優、若手演出家ら三十名が文学座を脱退し、現代演劇協会なる構想のもとに、演劇集団・雲を結成した。……。
上図は昭和38年1月14日、東京会館で新劇団結成の記者会見をする福田恆存ほかの文学座脱退者たち。
- シェイクスピア記念・『ハムレット』特集号。福原麟太郎、菅泰男、吉田健一、坪内士行、薄田研二、水谷八重子の隨想、千田是也「ルネッサンス期の歴史劇――演出の眼――」、仲代達矢「ハムレットに向かつて」、市原悦子「初日もまじか」、福田恆存・芥川比呂志(司会・石沢秀二)「対談『ハムレット』の舞台をめぐって」、河竹登志夫「『日本におけるハムレット』考・序説」等を掲載。