制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
公開
2006-01-09
改訂
2015-05-24

雜誌「人間」

昭和二十一年

昭和21年1月號:創刊號
卷頭論文は西谷啓治「國民文化とヒューマニズム」。
昭和26年1月號
福田恆存の論文「職業としての作家」を掲載。
114ページ
115ページ
こばやしひでお「かの子文體論おぼえがき」その他 - Togetterまとめ

昭和二十五年

昭和25年1月號
この號より版元が鎌倉文庫から目黒書店に移つた。
福田恆存の戲曲「キティ颱風」を掲載。
昭和25年9月號
福田恆存「ロレンスの思想――友人への手紙」を掲載。福田は、現代人の「客觀的な證據を希求する傾向」や「道徳的な潔癖を求める傾向」を批判し、統計データも誠實も結局のところ自己のエゴを正當化する道具となつてゐるに過ぎない事を指摘する。現代は過去よりも進歩したと誰もが信じてゐるが、今でも人間性は變らない。ただ、尤もらしく自分を立派に見せかける技術が、現代では發達したに過ぎない。福田は端的にロレンスの思想を要約して、あのなかでロレンスが説きたかつた福音はかんたんなことだ。男は女にとつて、女は男にとつて、魅力ある生物になれ――たゞそれだけなんだよ。と述べる。人間が愛や誠實や正義や法律や論理を動員して、自他を縛らうと決心したのは、つまり男が女に、女が男に魅力を失ひかけたといふ事實を自覺しだしたからなんだ。ロレンスは、抽象的に幸福と云ふ觀念を語つたのでなく、具體的に性の存在を示したのだと、福田は主張してゐる。
「ロレンスの思想」掲載ページ
昭和25年11月號
人間賞(新人賞小説募集・四囘め)の當選作・廣中俊雄「炎の日」掲載。サルトル「蝿」一擧掲載。
獅子文六・辰野隆・福田恆存「笑いと喜劇と現代風俗と(座談會)」掲載。

昭和二十六年

昭和26年6月號
宮本顕治「その正體について(福田恆存論)」掲載。福田はマルクシズムに敵對しないかのやうに裝つてゐるが、それは「二枚舌」を使つてゐるのである、福田は實は反共であり、だから左翼に對して個人的な侮辱を加へてゐるのである――と宮本は極附けてゐる。
その他、羽仁五郎「平和に對する罪」、中野重治解説「現代民衆詩選」や、花田清輝「鼻説法 現代の寓話」、サルトル「ジィドは生きている」、小場瀬卓三「レジスタンスの文學 文藝時評」、等々。また三好十郎の戲曲「鈴が通る」を掲載してゐる。
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