私は生れつき口が惡いので、誤解を招くことが多いらしい。ですから、はじめから斷つておきます。戰後に女性を解放するため打たれたいろいろな法律的な處置がありますが、私はそれらにけつして反對ではない。贊成ですし、なほ解放しなければならぬ餘地が殘つてゐるとおもひます。だが、法律的な處置だけで、女性が幸福になれるとはおもひません。女性の幸福だけでなく、一般に人間の幸福は、社會的に解決しうる問題のそとにあります。
フェミニストの「女は男に負けるものか」と云ふ發想の背後には男性コンプレックスがあると福田恆存。だから彼女らは自信の程を表にひらめかせるわけだ。寧ろ一般の家庭の主婦の方が自信を持つて落著いてゐる。云々。
「恋愛教室」の名を借りた「日本人向けのキリスト教入門」でもある。