公開
2010-11-30

現代日本思想大系32『反近代の思想』

書誌

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1965年2月15日發行
編集/福田恆存
筑摩書房
解説は西尾幹二が代筆。本書の解説および解説については、西尾幹二氏より多大の協力を受けた。もし氏の積極的な好意がなければ、おそらくこれを完成しえなかったであろう。ここに深くお礼を申し述べる。
封入の月報21には、保田与重郎「日本の歌」、西尾幹二「知性過信の弊」、いいだ・もも「二十世紀の第一年と北一輝――思想のドラマ(21)」が掲載されてゐる。
解説、本文とも全て新漢字新かなづかい。

目次

I 文明開化批判
現代日本の開化/夏目漱石
新帰朝者日記/永井荷風
陰翳礼讃/谷崎潤一郎
II 近代への懐疑
日本の橋/保田与重郎
信仰の無償性/亀井勝一郎
上代思想家の悲劇/亀井勝一郎
現代史への試み/唐木順三
詩の自覚の歴史/山本健吉
柿本人麻呂/山本健吉
III 近代の克服
歴史と文学/小林秀雄
無常という事/小林秀雄
「罪と罰」について/小林秀雄
哲学/小林秀雄
天命を知るとは/小林秀雄

「参考文献」より

すでに「解説」において指摘したように、「反近代の思想」という特定の理論体系はないので、特定の参考文献も存在しない。ここでは、解説を執筆する上で直接間接にかかわりのあった文献、あるいは念頭においていた書物を、思いつくまま列記しておきたい。

T・E・ヒューム『ヒューマニズムと芸術哲学』宝文館(原題「思索」一九五三年翻訳出版) T・S・エリオット『文化とはなにか』弘文堂(一九五一)『エリオット『全集第五巻』中央公論社(一九六〇) D・H・ロレンス『現代人は愛しうるか(アポカリプス)』白水社(一九五一) C・ドーソン『進歩と宗教』学苑社(一九五二)『近代のジレンマ』創文社(一九五三)『中世文化史』元々社(一九五六) E・ベルトラム『ニーチェ』筑摩書房(一九四一) K・レヴィット『ヨーロッパのニヒリズム』筑摩書房(一九四八) K・ヤスパアス『現代の精神的課題』新潮社(一九五五) M・ハイデッガー『ニーチェの言葉・神は死せり』理想社(一九五四) S・ツヴァイク『昨日の世界』慶友社(一九五二)他にみすず書房『ツヴァイク全集』所収。G・ベン『二重生活』紀伊国屋書店(一九五八) G・マルセル『人間それ自らに背くもの』創文社(一九五八)『神の死と人間』中央公論社(一九五八) エティエンヌ・ジルソン『中世ヒューマニズムと文芸復興』白水社(一九四〇) N・ベルジャーエフ『歴史の意味』白水社(一九六〇) 白水社より『ベルジャーエフ著作集』が出ている。オルテガ『大衆の叛逆』筑摩書房(一九五三)『危機の本質』創文社(一九五四) L・シェストフ『悲劇の哲学』創元社(一九五二)『虚無よりの創造』創元社(一九五二) O・シュペングラー『西欧の没落』批評社(一九二六) ロゲンドルフ「ヨーロッパの危機」弘文堂(一九五一)

なお、ショオペンハウエル、マルクス、キェルケゴール、ニーチェ、ドストエフスキー、フロイド、ジイド、森鴎外等の人々は、その生涯と仕事全部を通じて、なんらかの意味で「反近代の思想」の系譜に属する人々であることを、付記しておく。これらの人々の全集こそ、もっとも重要な「参考文献」であるといってよい。

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