- 公開
- 2006-06-10
- 改訂
- 2017-06-09
伊藤整編『文章讀本』
- 昭和二十四年十月十五日第一刷發行
- 昭和二十四年十月十五日第五刷發行
- 昭和三十年六月十日第十九刷發行
目次
理論篇
- 文章について
- 伊藤整
- 現代文章論
- 小林秀雄
- 具體的な文章と概念的な文章
- 波多野完治
- 文章とその時代
- 川端康成
- 日本語の長所と短所
- 谷崎潤一郎
- 現代論文の文章
- 清水幾太郎
- 評論家の文體
- なかのしげはる
鑑賞篇
- 夏目漱石の文章
- 宇野浩二
- 森鴎外の文章
- 高橋義孝
- 島崎藤村の文章
- 伊藤整
- 泉鏡花の文章
- 片岡良一
- 谷崎潤一郎の文章
- 伊藤整
- 志賀直哉の文章
- 瀬沼茂樹
- 芥川龍之介の文章
- 福田恆存
- 横光利一の文章
- 川端康成
- 川端康成の文章
- 臼井吉見
- 堀辰雄の文章
- 立原道造
- 太宰治の文章
- 奥野健男
- 丹羽文雄の文章
- 十返肇
- 野間宏の文章
- 伊藤整
- 大岡昇平の文章
- 福田恆存
附記
芥川龍之介と大岡昇平を福田恆存が論じてゐる。「芥川龍之介の文章」は正かなづかひ、「大岡昇平の文章」は「現代かなづかい」。異る表記で印刷されてゐるが理由は不明。
大岡の文體について、福田は大岡昇平ほど論理的な文體を以て小説を書いた作家は日本にはいない。まずその特徴は定言命題が多いということだ。
と述べてゐる。そして、定言命題の效果は書かれてある内容がいやおうない事實であるという安心感をあたえる
、と指摘してゐる。その後、續けて、大岡の作品における論理的な文體の幾つかの效果を説明してゐる。論理的な文體によつて與へられる事實であるかのやうな印象と、事實そのものとの關係については觸れられてゐない。